行政マンのダウン症育児日記(12:2005/10/16記)

 

ウンチは汚い?

 

 

  突然ですが、ウンチって汚いと思います?

 そりゃあ汚いだろうって?そう、もちろん汚いですよね、もちろん。じゃあ鼻水はどうでしょう?えっ、いちいち聞くなって?

 どちらも一般には汚い、といわれているもので、自分もそのことに真っ向から反対する気はないのですが、最近ちょっと一概にはいえないなあ、なんて気にもなっているのです。

 

 赤ん坊がウンチをどこにするかというと、そう、オムツですよね。で、そのオムツを取り替えるのは、当然親なわけです。わが家では、オムツは紙と布の併用で、お出かけ時や夜など取り替える間隔が長くなる時は紙、それ以外は布オムツで対応しています。

 紙おむつの場合は、包んでビニール袋に入れて捨てるんですが、布の場合はちょっと大変です。布ですから使い捨てじゃないでしょ、だから洗うわけです。どこで洗うかというと、トイレで洗うわけです。ウンチを流して、ジャブジャブと洗うんですよ。えっ、どこでかって、もちろん便器の中です。便器の中に手を突っ込んで、ジャブジャブ洗うわけです。えっ?「汚ったねー!」って?まあ、汚いですけど、ほかにやりようがないわけです。

 まあ、慣れです。はっきり言って、慣れます。ほかにやりようがないですから。夏は水が冷たかったりして、いいこともあります(ちょっと強引)。

 

 歩の場合は、毎日お通じがあります。この10月で1歳半なので、540回。そのうち半分弱は自分がオムツを換えているとして、ざっと200個のウンチを見ているわけです。で、ここで断言しますが、ウンチは成長します。

 生まれたばかりの赤ん坊の便ってどんなだか、ご存知でしょうか?(もしくは覚えていらっしゃるでしょうか?)そう、ほとんど液体で、色も黄色なんですね。それが大きくなるにしたがって、多少の粘り気が見られるようになり、ペースト状になり、軟便になり、そして大人の便に近づいていくわけです。もちろん時々の体調により、色や形、においはさまざまです。入院時は、お腹に入ったウイルスのせいで酸っぱいにおいのウンチが出ていました。

 ウンチって、本当に毎日違います。ちょっと体調が崩れると下痢気味になり、離乳食が消化できないと、にんじんがそのままの色で出てきます。ウンチによって、体調がわかり、歩睦の体の中も想像できるんです。赤ん坊が、だんだんと食べもののレパートリーが増えていくのは、つまり内臓がさまざまな食物を消化できるようになる過程なわけです。

 ウンチの成長は、イコール体の成長なわけです。

 ねっ、そうやって考えると、ウンチも一概に「汚い!」とも言えないじゃないですか。

 

 それから鼻水ですが、これははっきり言いますけど、汚くないです。

 まず、赤ん坊は自分で鼻がかめない。これって、乳飲み子にとってはかなり重大なことです。母乳やミルクを飲む時、赤ちゃんは相当の力で吸い付いているのですが、これが鼻が詰まっているとうまくできない。大人であれば鼻をかめばよいわけですが、赤ん坊はこれができない。で、どうなるかというと、そのまま飲もうとし続けて、息ができなくて、苦しくなって、泣くわけです。

 こうならないように、赤ちゃんの鼻水を吸い取ってあげなきゃいけないわけです。どうやるかというと、赤ちゃんの鼻に口をつけて思いっきり吸い込んであげる、ただそれだけです。簡単です。でも、この簡単なことが、初めはちょっと抵抗があって、できないんですよね。今になって振り返るとなにを躊躇してたのかなって思うのですが。だって、目の前で子どもが苦しんでいるのですから。

 

 とまあそんなわけで、一般に汚いといわれていることも、ときと場合によっちゃあそうでもないなあと思うのです。これまでの思い込みや、自分の中の規範、判断基準が変わっていく、これも子育ての醍醐味かもしれません。