行政マンのダウン症育児日記(25:2006/7/19記)

食事は育児

 7月の3連休がまもなく終わる。

 先週から続いていた暑さは、土曜日にはピークを迎え、熱中症に対するお天気キャスターのしつこいまでの注意のかいもなく、全国で数人のお年寄りが猛暑に倒れた。日曜日は昼過ぎから大荒れの天気に変わり、空が一転かき曇ったかと思うと土砂ぶりの雨になり、雷鳴とともにヒョウが降り注いだ。そして月曜日はというと、朝から続く雨で気温も下がり、洗濯物が乾かないことさえ我慢すれば、それなりに過ごしやすい一日だった。梅雨の出口が見えてきて、本格的な夏を迎える前に、暑さもちょっと一休みだ。

 

 3連休の前半は、暑さ対策もかねて、ビニールプールで遊んだ。朝からベランダに出したプールに水を張り、昼近くになったところで温度を見る。あんまり冷たいままだとよろしくないとのことで、この段階で沸かしたお湯を足す。歩はというと、お湯を沸かし始めたころから我慢できずに、プールに手を突っ込んで遊んでいる。準備ができたら、もうすでにかなり濡れているTシャツを脱がせ、ズボンを脱がせ、オムツをはずしてプールにどぼん。プラスチックのおままごとセットを入れてやると、水を汲んだり、はね散らかしたり、上から注いだり、沈めてみたり、いろんなやり方で水を堪能している。水をコップに汲んで飲みはじめたときはさすがに止めたけど、結局やめさせることはできず、歩専用のプールだし、まあいいかとほうっておいた。

 それにしてもたかだか1メートル四方のプールに、15センチの水を入れただけで、こんなに遊べるなんてうらやましい限りだ。そういえば夏のプールの水遊びって、本当に楽しかったですよね。夢中で遊ぶプールの時間は、子どもだけに流れる特別なものかも。プールから引き上げるときの歩

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は、体全体で力いっぱいの抵抗を見せ、名残惜しさを全身で表現してくれました。

 

 さて、「食品を裏側から見ると(安部司、東洋経済新報社)」が、隠れたロングセラーになっている。たまたま書店で手にとって、「食品添加物の元トップセールスマンが明かす、食品製造の舞台裏」という帯びに引かれて買ってしまったのだが、ひさびさの快作に出会えた。

 痛んで黒ずんだ野菜を薬品の桶に一晩沈めて脱色し、その後着色しなおして、食品添加物を加えて店頭に並べるパック漬物の話。廃棄寸前のクズ肉に30種類以上の「白い粉」を入れ、ソースを絡めてキャラクターで包装した人気ミートボールの話。化学調味料の配合を変えるだけで、塩、しょうゆはもちろん、とんこつをはじめとしたあらゆるスープの味が調合できる、インスタントラーメンの話。スーパーの特売に並ぶ、「みりん風」「醤油風」などの紛らわしい調味料の話など、思わずのけぞりそうなとんでもない食品業界の話題が満載で、一気に読了した。

 

 食品添加物というと、グルタミン酸ナトリウムとか、ソルビン酸カリウムとか、とかくカタカナが多くてとても覚えられる気がしないが、著者の主張は「台所に存在しない聞いたことのない添加物の入っている食品は極力避ける」というシンプルなもの。コンビニやスーパーで加工食品を買ってきて3食すますと、延べで30種類程度の添加物を摂取することになるそうで、「子どもには料理の手伝いをさせて、食事が手間のかかるものだということを体験させよう」とも言っている。ただ、食品添加物の「罪」だけでなく、「功」の部分にも言及していて(さすが元トップセールスマン)、いわゆる「○○してはいけない」本とは一線を画している。

 

 と、そんな本を読んでいたらタイミングよく、山形の農家から無農薬野菜の箱詰が届いた。実は妹が7年前から、単身、鶴岡で農業をやっている。最近ようやく畑が起動に乗ってきたとのことで、月に2回のおまかせ配送サービスをはじめた。今回は夏野菜のトマト(大中小彩り豊かに1.5kg!)などを中心に12品目・2500円で、これがなかなかに食べ切るのが大変な量。

 というわけで、朝食にはトーストにミニトマトとサンチュのサラダ、昼はトマトとバジルのパスタにズッキーニの炒めもの、夜は唐筍を水煮して筍ご飯と、丸小ナスの浅漬けと冷やしトマト、さばの塩焼きと味噌汁。とにかく箱詰野菜の大活躍となった(しかし、まだ半分も使っていない)。

 で、歩はというと、これが気まぐれで、食べたり食べなかったり。

 麺類は大好物なので、パスタはぺろりだったけど、夕飯は味噌汁にしか手をつけない。そのうちトマトに興味を示し、よく冷えていたからか、それとも味が濃くて美味しかったせいか、大玉ひとつ独りじめ。せっかく時間をかけて作った筍ご飯は見向きもしない。かと思うと、ごちそう様をして食卓を離れてから、ぱくぱく食べ始める。 

 

 まあ、「子育ては食育が基本!」なんて、大げさに構えるつもりはないけれど、あんまりわけのわからない添加物入りの食事は、なるべく避けたいと思う。自分食事にはそんなに神経質になることはないのだけれど、子どもには、なるべくと思う。

 でもね、その「なるべく」が、なかなかできないんです。だいたい普段の日は、細かいことを気にする時間がない。レンジでチン、のない生活なんて想像つかないでしょう?忙しいときは、暖めるだけで食べられる加工食品ほど、ありがたいものはないですからねえ。

 まあホント、できるところから、気張らずに、ですかね。